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【書評】ドリルを売るなら穴を売れ|マーケティング入門書

「ドリルを売るなら穴を売れ」というタイトルですが、ドリルの売り方を一から語り続ける本ではございませんのでご安心ください。

これ本当に勘違いする人が多いと思うのですが、どうなんでしょうか。ぼくも以前からこの本を知っていましたが、勘違いして読むのを控えてました。苦笑

同じようなタイトルで「100円のコーラを1000円で売る方法」という本がありますが、そっちの方が知りたくて先に読みました。勘がいい方はお気付きかと思いますが、100円のコーラを1000円で売る方法が延々と語られている訳ではありません。苦笑

話はそれましたが、本著は「マーケティングとは?」を知りたい方に強くおすすめしたい一冊です。

ぼくは長年法人営業をしている人間ですが、営業をする上で非常に参考になる考えが詰まっています。

本ページでは読書メモとして概要などを綴ります。

是非あなたも楽しいマーケティングの世界へ足を踏み入れてみてください。

非常に読みやすく、読書嫌いな方でも1〜2時間程度でサクッと濃厚なマーケティングの基礎を学べます。

ところで「ドリルを売るなら穴を売れ」ってどういうこと?

なんだか無性にドリルが欲しい…よし買いに行こう!

とは誰もならないですよね。

ドリルが欲しい理由は「穴をあけたいから」です。

顧客にとっての価値は「穴」です。

売り手の視点にたつと「ドリルを売ること」が目的になってしまいがちですが、顧客にとっての価値は「穴」です。

職人さんがすぐ来てくれて、めちゃくちゃ綺麗に穴をあけてくれて、しかも値段も安かったら誰もドリルを買いません。

何が言いたいかというと、顧客が何を求めているかを決して忘れてはいけません。

こんな考え方が本著には書かれています。

著者について

著者は佐藤義典氏。

早稲田大学卒業後、通信会社(NTT)、外資系メーカー(ガムのマーケティング)、外資系エージェンシーを経て2006年にストラテジー&タクティクス株式会社を設立し、代表取締役社長に就任されています。

従業員が数万人規模から数十名規模と、幅広い領域で活躍されていることが特徴的です。また、中小企業診断士やMBAを取得されています。

本著以外にも、10冊を超える作品があり、マーケティング業界ではかなりの有名人です。

参考佐藤義典氏の著書

本著の概要

とある商社が新ビジネスとして立ち上げたイタリア料理店。しかし鳴かず飛ばずで閉店の危機が訪れます。

そんな中、社長より「なんとか復活させろ、さもないと事業撤退(=閉店)する、猶予期間は2か月間」となかば理不尽な命令が企画室に通達されます。

そんな社運をかけたプロジェクトを配属されたばかりの新人女性が担当することになります。

当然、マーケティングのイロハも知らないため、失敗を繰り返し必死にもがき苦しみます。悪戦苦闘しながらもコンサルのイトコや上司からマーケティングのヒントを教わり、どうすれば顧客に唯一の価値を提供し、売り上げをあげ、存続できるか?を考え抜き見事復活に導く、というストーリーです。

イタリア料理を運営するのにイタリアに行ったことがないとかありえない、すぐ行こうという徹底的な現場主義の考えがとても印象的です。

頭では分かっていてもなかなか行動に移せません。

本著を構成しているマーケティング理論

  • ベネフィット
  • セグメンテーションとターゲット
  • 差別化
  • 4P

この4つが軸に書かれています。

ベネフィット=顧客にとっての価値

価値は人それぞれ違います。例えば忙しいサラリーマンにとってのお昼ご飯の価値は、吉野家のように安くて早くて手軽に食べれることが価値でしょう。

逆に同じ昼ごはんでも社長夫人のような方であれば、美味しいものをゆっくり味わって食べることを価値と感じることでしょう。

なのであなたが提供できる顧客にとっての価値を考える必要があります。

セグメンテーションとターゲット

その価値を届けるにあたり誰をターゲットにするのか?ということです。

例えば「秒速で10万円稼げる方法」があったとして、これを大富豪にもっていっても残念ながら全く価値と感じないでしょう。ぼくは喉から手が出るくらい欲しいですが。苦笑

あなたが提供できる価値を、それを求めているいる人に届けるのはとても重要です。

そのために分けて狙いを絞ることがセグメンテーションとターゲットとなります。

差別化

あなただけの独自の価値を提供しようね。ということです。

差別化は以下3種の軸で考えていきます。

  • 手軽軸:ある程度の品質のモノを安く、便利に提供
  • 商品軸:売り物を軸に考える。高品質のモノやサービスを提供する。
  • 密着軸:顧客に密着して徹底的に顧客のニーズに応える

吉野家はそれなりの味の牛丼を早く安く提供しいいることから、手軽軸に注力していることがわかります。最高級の和牛を使っているわけではないので商品軸はそれなりということが分かります。また接客もマニュアル通りなので密着軸に注力しているとも言えません。

カルティエなどのブランドは全然手軽に買えないですよね。手軽軸は完全に捨てていることが分かります。そのかわり圧倒的な商品力で素晴らしい商品づくりに注力しています。さらに上得意先にはきめ細やかな接客をしています。ブランド品だけでなくお店全体がサービスとも感じ取れます。よって商品軸に完全に振り切っていることが分かります。

さて街の電気屋さんが潰れないのはなぜでしょう?ヤマダ電気の方が品揃えも豊富で安く買うことができます。だけど高齢者の方は品揃えを望んでいるでしょうか?多少高くても電球が切れるとすぐに取り付けに来てくれる方が喜ばれそうですね。街の電気屋さんは、そのように地域密着型経営をしていると息長く潰れません。これが密着軸に特化しているということです。

ざっくりした例ですが、差別化するには手軽軸・商品軸・密着軸のどれかに特化して、どれかを捨てる覚悟が必要です。

全てを満たそうとすると中途半端な商品・サービスしかできあがりません。

4P

  • Product(製品・サービス)
  • Promotion(広告・販促)
  • Place(販路・チャネル)
  • Price(価格)

価値を提供して対価を得るための具体的手段、価値を現実化するものが「4P」です。

例えば「徹底的に商品にこだわっているのに安く提供する」これは手軽軸と商品軸が混在しているので共存すべきでない考え方となります。商品にこだわっている=原価が高い、それを安く提供すると利益率が悪くなり事業として厳しくなります。また、その商品が唯一無二のモノでなければ、マーケットリーダーの値下げ抗戦でジリ貧になるのは目に見えてます。

また提供できる価値を顧客に知ってもらうにはどうしたらいいか、さらに手元まで届けるにはどの販路を使うか、4Pを考えだすとキリがないレベルですが、大事なことは一貫性を持たせることだそうです。

これだけさらっと読める本なのに考えされられることは山ほどあります。

最後に

マーケティングはお客様のココロの中で起きている

本著のメインテーマのこの一文さえ覚えておけば多くのことが解決される気がします。

営業をしているとついつい忘れてしまいます。

あなたがモノを買うとき、サービスを提供されるとき、なぜそれを選んだのか?を意識することでマーケティング脳を鍛えることができます。

繰り返すことで見える景色が変わってくるでしょう。

営業をしている方もですが、BtoCのビジネスに従事している方に特におすすめします。

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